徘徊の果ては貴方はもっと愛してと言うんだね。僕の愛など不必要なのに。 貴方はもっと抱き締めてと言うんだね。 僕の抱擁は迷惑なのに。 あぁ、貴方のその求める愛を僕は持って居なかった。 僕には足りない物ばかりだったね。 そして貴方は時の過ぎゆく儚さを詠う。 僕は人の心の淋しさのうつろいを詠う。 あぁ、徘回の果ては有るのだろうか。 貴方は「愛して」。 僕は「愛したい」。 けどその線、道は交わらない。 何処まで徘回しても。 何時まで経っても。 ただ、恋こがれ、愛にさまよう。 この道の果て、時の過ぎゆく先には、求める愛が有るのだろう。 きっとそれは、誰にでも。 ただ、時だけは音も無く過ぎてゆくだけ。 |